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合同会社の役員変更登記
2024.08.14
コラム
今回の投稿は、司法書士向けのものです。
商業登記でも、株式会社の役員変更登記の申請はよくあるものですが、今回は合同会社のものです。
同じ司法書士の方でも、合同会社の設立登記はよくしている方だという方も多いと思いますが、役員変更登記も含め合同会社の内容の変更登記はしたことがない方が多いのではないでしょうか。
私自身も、今回の登記はどういうふうにやったらよいか、悩みました。
文献等を頼りにして、何とか通りましたが、上がってくるまで不安はありました。
合同会社では、業務執行社員というのがいて、その業務執行社員の法的性質をどう解すればいいか、それなりに解釈してみて申請してみた感覚です。
私が求められた役員変更は、次のとおりです。
変更前 業務執行社員兼代表社員 A
変更後 業務執行社員兼代表社員 B
前 提 Aは、社員として残す要望。
Bは、元々社員ではなかった。
上記事例では、総社員の同意書を2通作りました。
1通目は、Bを有限責任社員として入社させることを同意するためのものです。
そして、定款の内容を、有限責任社員Aから有限責任社員A及びBに変更させることの同意。
それと、Bを有限責任社員にするには、出資をさせなければならないので、金何万円を合同会社に出資させることが必要。
出資と共に、金何万円資本が増加したので、その同意も一応同意書に記載しておきました。もちろんその変更登記も必要です。
2通目は、業務執行社員兼代表社員Aがその役職を辞任することに対し、同意するというもの。
それと、Bが業務執行社員兼代表社員に就任することに対して、同意するというもの。
あらかじめ、Aの業務執行社員兼代表社員の辞任届も頂き、それにはAの個人の実印+印鑑証明書を付けて申請しました。
また、Bの業務執行社員兼代表社員の就任承諾書も頂き、それにはBの個人の実印+印鑑証明書を付けました。
その他にも定型の書式のとおりの書類が必要になりますが、それは割愛することとし、ポイントはやはり総社員の同意書だと思います。
総社員が同意していれば、会社の意思決定は揺さぶりもされないものであるので、万全だということです。
それと、業務執行社員Aの辞任を上記のとおりしましたが、登記事項は辞任ではなく、業務執行権喪失と記載しました。
また、業務執行社員Bの就任も、登記事項は就任でなく、加入にしました。
上記二つともそれでとおりました。ここが、合同会社の業務執行社員の法的性質が分からないところです。
この登記事項で補正になるかなと思いましたが、そのとおり完了したので、合同会社の役員変更登記はグレーな感じがして難しいと思った次第です。
見ていただいた方に少しでもお役に立てたら幸いです。
司法書士 今井 久雄
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